2005年10月28日
この原稿を書いている10月24日の週は、米国出張中です。米国に拠点のあるヘッ
ジファンドの運用者を訪問するのが主な目的です。そのほかに、米国の最も大規
模な機関投資家(年金基金等)が集まるヘッジファンドを題材とした会議がボス
トンで開かれるので、それに立ち寄るためでもあります。今回の米国出張の趣旨
を大きく分けると、以下のとおりになります。
1. 老舗かつ大規模なヘッジファンド運用者との面談、インタビュー。例えば、数
千億円の資金を10年以上の長期間にわたって運用している、半ば伝説的なヘッジ
ファンド運用会社を訪問、会社の調査、運用者との面談。
2. アジア・フォーカスへの組入れ対象となる日本関連の市場で取引を行っている
ヘッジファド運用者と面談、彼らの運用会社に対する現地での調査。
3. 現在、米国で最も先進的な投資を行っている投資家からのヒアリング。それら
の投資家は主として、米国の年金基金、大学の運用基金等。
この出張を通じてアメリカのヘッジファンド事情を知ることで、我々が学ぶこと
は多いと思っていますので、出張の内容を何回かに分けてご紹介していきたいと
考えています。
今回は、老舗ヘッジファンド運用者との面談の趣旨について簡単に書きたいと思
います。これらの運用者は厳しい市場環境を生き残って、安定的な収益を長期間
にわたって提供し続けてきたために、投資家や同業者から尊敬の念をもってみら
れる人々であることが多く、彼らの多くは既に十分な規模の運用資産を持ってい
ます。結果として、通常は現在以上の運用資産の募集を行わないため、新しい投
資家が彼らとコンタクトするケースは限られています。
幸い、私たちは長年にわたってヘッジファンド投資を行っていることと、関係者
の紹介もあって、彼らの多くとは非常に友好な関係にあります。彼らから学ぶこ
とは数多くあります。
まず、アメリカは金融先進国であり、その中でも彼らは常に最新の投資理論や哲
学を追求し続けているために、彼らの行動から欧州やアジアにおける運用の現在
や未来を透かして見ることができると考えています。また、米国の資本市場は日
本のそれを何年か先行していると考えられるために、その時々の環境下で彼らが
どのような運用戦略をとっているかを調査することで、日本の市場で今後成功す
る可能性が高い運用戦略を占うことができるからです。更に、私が最も役に立つ
と思っているのは、彼らが過去、現在に直面している問題や失敗について調べる
ことです。次回以降では実際に面談した運用者との内容について少し詳しくご紹
介したいと思います。