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白木信一郎の「投資運用苦楽」

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第243回 電力自由化の意味

2015年12月25日

2016年4月に家庭向け電力市場が自由化されます。電力自由化という言葉はいたるところで耳にしてきましたが、これが実際に私たちの日々の生活、そして、ビジネスの場にどのような変化をもたらすのかを考えてみたいと思います。これまで私たちは、地域の電力会社が発電し送電する電気を消費し、公共料金の一環としての電気料金を払うのが当たり前でした。しかし、来年4月以降さまざまな選択肢を持つことになります。ガス会社、通信会社などの公共性の高いサービスを提供している業者が電力の提供を始めることはもちろんのこと、これまで電力や公共事業では馴染みのなかった企業が、低価格をうたって各家庭に電気を提供するサービスを競うことになります。

電力消費者としての私たちにとってみれば、選択肢が広がり、電気料金も低下することは歓迎すべきことだと思われます。2016年4月以降、消費者の立場としてどのような行動をとるのが合理的なのでしょうか。消費している電力量によって影響は異なり、幾つかの選択肢が考えられますが、まずは、今後出てくる様々な公共的なサービスの料金を総合的に見比べて、組み合わせで最も安く収まるように考えるのが一般的になるだろうと思います。現代はネット社会ですので、光熱費、通信費を含めた公共料金の比較サイトが数多く出てくるでしょう。また、業者による各種ポイントサービスや割引合戦もあると思われます。消費者にとって面倒な手続きである契約変更などについても、新規参入者にとって簡単に誘導できるような手続き形態が提供されるでしょう。

規制緩和の一環として様々な新規参入者が登場することから、既存の電力会社にとっては目先厳しい状況となるものの、競争が活発になることでビジネスにとっても全体としては良い影響が出てくるものと思われます。代替電力としての太陽光発電、水力発電、地熱発電などの利用が増える中、消費者の選択肢も広がることと思われます。その中で、消費者が直接保有できる電源としての太陽光発電があらためて脚光を浴びる可能性も考えられます。大規模な一軒家やファミリービジネスを経営しているようなビルオーナーであれば、パネルを設置して、自家発電によって大きく電力料金を下げる手段もあります。今後、商業用パネルの性能向上によって変換効率が現在の約20%から大きく上昇するでしょうし、価格も下がるでしょう。更に、蓄電設備の性能向上によって24時間電源としての機能も期待できます。当然、再生可能エネルギーを主要な電力供給源とする電力小売り業者も出てきます。

このように、様々な影響が考えられる2016年4月以降の電力市場の自由化後の電力事情について、一消費者の観点、ビジネスを営む人間としての観点から注意深く見ていきたいと考えています。


白木信一郎:
アストマックス投信投資顧問株式会社 取締役CIO
ロンドン・ビジネススクール卒
1990年代はじめから債券投資、運用業務を経てヘッジファンド及びプライベートエクイティファンド等のオルタナティブ資産への投資を担当。ヘッジファンドの投資戦略に詳しく、セミナー、コンファレンス等において講師もつとめる。
AIMA(オルタナティブ・インベストメント・マネジメント・アソシエーション)日本の代表理事兼会長。
著書に「完全版 投資ファンドのすべて (2014)」 (金融財政事情研究会)
「投資ファンドのすべて (2006)」(金融財政事情研究会)
http://store.kinzai.jp/book/12407.html
http://store.kinzai.jp/book/10985.html

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