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白木信一郎の「投資運用苦楽」

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第200回 再生可能エネルギーあれこれ

2014年03月14日

最近は新聞紙面でも、太陽光発電、風力発電、あるいはバイオマスや地熱発電といった、再生可能エネルギーについての記事を見かけない日はないような気がします。私どもも、会社としていくつかの取組を行っており、例えば、グループ会社では、太陽光発電所の開発、経営にも携わるようになっています。投資の観点からも、債券代替投資の対象として、インフラストラクチャに注目が集まっていますが、最近のインフラストラクチャの中でも、特に規模の拡大が著しいのが、再生可能エネルギー施設です。過去のコラムの中で触れてきましたが、世界的にみても、太陽光を利用した施設の開発には著しいものが見られます。
第179回 再生可能エネルギーへの投資機会(1)
第180回 再生可能エネルギーへの投資機会(2)

金融庁は、インフラ整備に個人マネーを活用できるように、投資信託の規制を緩和する方針のようですし、日本取引所グループも、新しい上場金融商品として、インフラ投資法人の基本設計を進めています。組み入れられるインフラ施設には、相当割合の再生可能エネルギー施設が入ると思われます。これは、原子力発電所稼働に対する逆風が強い中、円安をはじめとするエネルギー価格上昇圧力を受けて、日本政府、企業あるいは個人レベルで再生可能エネルギーの必要性を感じているからに他ならないと思います。もちろん、環境保護の面からも好ましいエネルギー源とは言えますが、そもそも化石燃料の資源に乏しい日本においては、太陽、水力、風力、木材などの資源をエネルギー源として取り込むことは、自然なことと感じられます。

このように、需要、政策の後押しがある中、日本では再生可能エネルギー施設の建設は今後も加速度的に増加していくものと思われます。このこと自体は、個人的にも大賛成ですし、仕事としても今後とも携わっていきたいと考えています。しかし、それだからこそ、再生可能エネルギーの開発、普及に伴う様々なデメリットや課題にも目を向ける必要があることも感じています。太陽光発電設備は、架台を作り、太陽光パネルを敷くだけという極めてシンプルな構造上、普及が急速に進んでいます。また、政府も固定買取り価格を高い水準に設定したため、数えきれないほどの新規参入者が土地の確保と建設に参加しています。候補地は、にわかバブルに湧くことになり、利権に絡んだ様々な問題が起こっているようです。一方、昼間電力しか創り出さない太陽光発電では、夜間電力を賄うことが出来ず、24時間電力を作ることが出来る他の再生可能エネルギーの開発にも力を注ぐ必要があります。更には、20年の固定価格買取り期間が終了した後、設備の廃棄が必要になりますが、膨大な量の資材の受け皿についてはあまり考えられていないのが現状です。

環境影響評価が厳しい風力発電所の設置については、設置に時間とコストがかかることから、大手以外の参入が難しい状況が続いています。また、開発コストの高いバイオマス発電についても普及の遅れが目立ちます。例えば、穀物などの食料由来の原料を使った場合には最終的な食料価格の上昇圧力となりえることからも、政府自身も普及に前向きになりきれない可能性もあります。廃材や木材を使った木質バイオマスにも注目は集まっていますが、回収、輸送のコストの削減に筋道が立ちにくい状況です。温泉地など、地熱発電の供給源に恵まれている日本ですが、多くの供給地が開発の難しい国立公園内にあるなど、問題が山積です。また、初期コストも高く、今後の普及にも時間がかかるものと思われます。
 
ここで述べてきた以外にも、多くの課題や問題点が山積している再生可能エネルギーの開発ですが、金融事業者として、事業法人として、これらの課題に取り組み、多くの人が便益を受けられるような仕組みを作っていきたいと考えています。




白木信一郎:
アストマックス投信投資顧問株式会社 取締役
ロンドン・ビジネススクール卒
1990年代はじめから債券投資、運用業務を経てヘッジファンド及びプライベートエクイティファンド等のオルタナティブ資産への投資を担当。ヘッジファンドの投資戦略に詳しく、セミナー、コンファレンス等において講師もつとめる。
AIMA(オルタナティブ・インベストメント・マネジメント・アソシエーション)
日本のヴァイス・チェアパーソン。
著書に「投資ファンドのすべて」(金融財政事情研究会)
http://store.kinzai.jp/book/10985.html

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